治療とは違い、予防というものは、効果が分かりにくいものです。「もしも予防処置を受けてなかったら、この歯は今頃虫歯になっていた」等とは誰にも分からないからです。
そのため、口の中を診察する事以上に、カウンセリングが重要になってきます。それによって患者様に、どのような効果があるのか納得して頂く事が大事だからです。医師側が独断で判断を下し、一方的に予防処置を押し付ける行為は、患者様のやる気を失わせる事に繋がるからです。
虫歯になったら元の健康な歯に治す事はできません。虫歯になった部分を削除し、歯の代用品となる修復物で補修する事しか、残念ながら我々歯科医にはできません。
歯科医院は、疾患ができてから治療するところではなく、欧米のように予防と早期発見のための場でありたいと、当院では考えております。
年に2~3回の定期的な健診が、10年後、20年後の美容と健康に繋がるのです。
現在、約80%の日本人の成人が歯周病にかかっていると言われ、日本人が歯を失う最も大きな原因とされています。近年、歯に対する意識が日本でも高まり、感染する前段階でのケア、歯周病や虫歯になってからではないケア、つまり予防治療が注目されています。
もちろん、最も効果的かつ重要な予防法は皆さま御自身で行う毎日のケアですが、毎日少しずつ自分では落としきれない歯垢や汚れが蓄積され、それが歯周病につながってしまうケースが非常に多く見られます。
歯科医院で行う口腔内のクリーニング、メンテナンスがそれを解消するための手段として有効なのです。